石膏像を描く時の基本的な考え方を示し、実際の途中過程を紹介します。描くのはアグリッパの肖像彫刻を面で簡略化した石膏像です。これは、初心者にとって描きやすいだけでなく、人の顔も様々な面で囲まれた立体であることへの理解にも繋がっています。
首像を描く時の基本的な考え方
全体を体(ここでは胸上部)・首・頭部の三つの部分に分けて考えます。
1.首から上を省いた体を想像し、正中線の位置と方向も確認します。後の点線丸は背骨の位置です。
2.体の上に首が重なり、3.その上に頭部が乗ります。
4.体の方向(下の赤矢印)と顔の向き(上の赤矢印)が違いますから、それを結ぶ首はねじれます(中央の赤矢印)。この動きを最後まで忘れないでください。
アグリッパ面取り石膏像の制作過程
では、実際に描いてみましょう。使う石膏像の画像は下をクリックし選んでください。様々な角度から撮影した高画質のファイルがあります。
画材は、アナログでは6Bくらいの柔らかい鉛筆か木炭等を使い、デジタルのソフトを使う時は、パステルやコンテをシミュレーションしてみてください。作例はデジタルです。(アナログの用紙は、コピー用紙のようなツルツルしたものは避け、ザラザラ質感のある画用紙を使うと濃い黒も出せます。)
1.まず全体を大きく明暗に分けて幅の広いタッチで塗ります。
2.この時、大きな明暗を描いているタッチが、三次元空間の面も表現していると言う感覚が大切です。
3.以下タッチが少しずつ細くなり形が正確になって行きます。そこでも常に面の角度・方向を考えて鉛筆やタブレットペンを走らせてください。また、見る角度の違う複数の画像を参考にするのも立体理解に役立ちます。
8.最後まで三次元空間を暗示する面の傾きに従ったタッチは残しておいた方が良いでしょう。
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